原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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試用版 ゲストルーム
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◆◇◆更新ニュース◇◆◇
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[、 ◇ or検索] ヒット 108 件です。
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ハーフベア
/FB3/Bear/
ハーフベア
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
もしも病院の待合室で、行ったり来たりしながらタバコに━━━たい
ていは間違えてフィルターの先に火をつけて、なにかを待っている父親
を見たら、その仕草からどんなに心配か分かるだろう。
しかしそれが心配だと思うなら、今、出産室の外のローカでうろうろ
している、ジョナサンクインビーをひと目見てほしい。クインビーは、
タバコのフィルターの先に火をつけて、そのまま吸っても違いが分かり
もしないのだ。
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そ
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終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
彼の声はふるえ、青い顔は、心配そうだった。「もしも、
48
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あの地球人が、神父が語ったような神だというのが、ほんとうなら━━
━」
「あの地球人は、神なんかではない」と、ひとりの男。「ただの、地球
人さ。この惑星には、はるか、はるか、はるか昔から、多くの、多くの、
多くの敵が、空から降りてきた。しかし、今、彼らは、みんな、死んで
しまった。お互いに殺しあってね。そうさ、さっきの最後のひとりも、
彼らの仲間さ。しかし、あの地球人は、正気じゃないがね」
彼らは、長いあいだ話しあった。夕闇が夜になっても、なにをしたら
よいのかについて、話しあっていた。炎のゆらめきが、彼らのからだを
照らし、待っているドラム打ちも照らした。
問題は、むずかしかった。正気でないものを傷つけることは。タブー
であった。もしも、彼が、ほうとうに神だったら、もっと、悪いことに
なるかもしれない。雷や稲光が空から落ちてきて、村を破壊するだろう。
だが、あえて、彼を逃がすことはしなかった。ヒューと鳴って人を殺す
悪い銃を奪って、埋めたが、彼は、別の方法で人を殺すかもしれない。
前に戻ったところへ行って、別の銃をもってくるだろう。
そう、それは、彼らにとっては、むずかしい問題だったが、一番年上
で、一番かしこい老人のマギャンが、ついに答えをみつけた。
「カラナ」と、マギャン。「あの地球人には、キフたちを
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ファイナルアンサー
/FB2/Answer/
「では」と、デュワーレイン。「今まで、どのサイバネティックマシン
でも、単独では、答えられなかった質問です」
彼は、マシンの正面に立った。
「神は、存在するか?」
力強い声が、なんのためらいも、なんのリレーの点滅もなしに、こた
えた。
「そう、今や、神は存在する」
突然、デュワーイブの顔におそれの表情がうかび、スイッチにとびつ
いた。
4
3
エピローグ
一筋の雷が、雲ひとつない空から落ちてきて、デュワーイブを撃ち倒
し、ヒューズを溶かして、スイッチを閉じた。
(終わり)
6
5
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青の悪夢
/FB3/NightmareInBlue/
ジョージは、ロッジへ走った。
「ウィルマ!」と、ジョージ。100ヤード手前から、力の限りを尽く
して叫んだ。
台所のドアに着くまでに、ウィルマはパジャマのままドアから飛び出
してきた。湖に向かってジョージについて走ったあと、すでに息切れし
ていたジョージを追い抜き、湖の端はしに着いたときには、50ヤード先に
行っていた。ウィルマは、水に飛び込むと、トミーの頭が水面に一瞬見
えた場所まで力強く泳いだ。
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7
エピローグ
ウィルマは、数回のストロークで泳いで、トミーをかかえると、ター
ンしようとして、足を下にけった。そのとき、突然、ジョージは、身も
凍るホラーを見た。ウィルマのブルーの目に映ったホラー。彼女が溺おぼれ
た息子を抱きかかえて立ち上がった場所は、水深がたったの3フィート
だった。
(終わり)
10
9
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オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
鬼さん、こちらへ!」
「警告!極地の磁場に、入りました!これから、27秒間、センサーは、
作動しません。手動操縦に切り替えてください!」
「切り替えた!コンピュータ、エンジン全開!発進!」
「了解!操縦は、手動で、お願いします」
シャトルは、月のひとつの軌道に入った。
「全エンジンを停止せよ!パワーシステムも停止!静止状態に入れ!」
「了解!」
「さぁ、どこにいるか、分かるか?完全に、見失ったようだな!さて、
どうするかな?オレは、かくれんぼの天才だぞ!遊んでるヒマは、ない
ってか?コンピュータ、メコンは、どこに向かっている?」
「41、マーク401です」
「どこだ、それは?」
「パラダ2です」
「パラダ2?なにが、ある?」
「地域を、特定してください!」
「コンピュータ、メコンに出入りする、転送を、すべてモニターしてく
れ!」
「メコンの転送装置が、作動しました」
「地表へ転送?」
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パペットショー
/FB2/PuppetShow/
杖男は、言い終える前に、砂の上に水平に、仰あお向けに倒れ、目をつぶ
った。
大佐は、1歩踏み出した。
「どうした?」と、大佐。すぐに、マイクロフォンの三脚に駆け寄り、
横になった、地球圏外ヒューマノイドに体を曲げ、耳を、血だらけに見
える箱に押し当てた。
大佐が頭を上げたとき、デードグラントは、ぐだぐだ言う採掘工のよ
うに、ぐだぐだ言いだした。
「心音しんおんも無いよ、大佐。そもそも、心臓がないんだから。ガースは、記
念に置いておこう。中を見れば、心臓や内臓より、おもしろいものが見
つかるよ。ガースは、オレが操っあやつていたパペット、ただの操りあやつ人形にす
ぎないのさ。きみたちのエドガーバーゲンが━━━人形の名前は、そう
━━━チャーリーマッカーシーを操っあやつていたようにね!ガースは、目的
を果たしたから、非活性化された。大佐、もう、担当部署に戻ってもい
いよ」
ケイシー大佐は、ゆっくり、後ずさりした。
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3つの願い
/XF/JeSouhaite/
モルダー。
「だって、言ったでしょ?」と、女性。「世界平和!ほらね?」
「人をおちょくるのも、いい加減にしろよ!」
「なんの話よ?」
「ぼくは、地球に平和が来ることを願ったんだ。なにも、地球上の人間
を、まとめて、全部、消さなくても。人の心を変えるとか、他に手は、
あるだろう?」
「うーん、この次は、そう、言ってね。だいたい、このわたしに、60
億の人間すべてを、ぜんぶ、善人にしろっていうの?そんなことできた
人、今までに、いないわ!アラーも、仏陀ぶっだも、キリストも。それを、あ
なたが、実現したいの?それは、なぜ?自己満足のため?」
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「だれが、そんな!ひどい、邪推じゃすいだ」
「うーん、そうかしら、恥を知りなさい!願いを、取り消しにした方が、
いいかしら?」
「ああ、ぼくの意図い とを、きみが、ここまでねじまげるとは、思わなかっ
たからね」
会議机で、7人の上司が、会
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まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
カーも、同様に、自分と標本のもう1匹の頭につけた。
しばらくして、カーとラルは、がっかりして互いを見た。
「7つのテストで、最低レベルを下回る」と、カー。「これでは、訓練
しても、鉱山の単純労働にも使えない。もっともシンプルな命令も理解
できないだろう。標本は、サンダー博物館に持ち帰ろう」
「惑星は破壊しますか?」
「いや」と、カー。「おそらく100万年後には、それまでわれわれの
種族が続いていたとして、ここの生物も奴隷にできるくらいに進化して
いるかもしれない。よし、つぎの太陽系に移動だ!」
10
9
エピローグ
ミルウォーキースター新聞の編集室は、ローカルページの校正に追わ
れていた。校正係長のジェンキンスは、最後から2番目の欄の記事をど
うするかで迷っていた。
「ピート」と、ジェンキンス。「8番目の欄にもう1つ記事が入るよ!
36文字分くらいだ。入りそうなのが2つ
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サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
目覚めなかった。
彼は、嵐のなかへ出て行った。風は、かつてないほど、冷酷だった。
恐ろしい手が、彼の心臓を、わしづかみにした。だが、あの星は、待っ
ていた。
寒さが、さらに厳しくなり、夜の黒が深まった。雪の毛布は、彼が倒
れた地点をおおいながら、山の上を漂っていた。
朝、女性は、解けた雪の上にある、赤いサンダルを見つけて、谷に持
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ち帰った。
「奇妙な夢を見たわ」と、年上の女性。「十字架の上で、男が苦しんで
いたの」
年下の女性は、手を組んだ。「キリストかしら?」
「いいえ、ちがうわ」と、年上の女性。「彼は、サアルバの国とか、叫
んでいたわ」
「どういう意味かしら?」と、年下の女性。「そのようなところは、聞
いたことがないわ」
「彼は、そう、叫んでいたわ。今でも、覚えているもの」
「それは」と、年下の女性。笑いだした。「夢だからよ。夢って、そう
いうものよ。現実にあ
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赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、とい
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カトゥーニスト
/FB4/Cartoonist/
エピローグ
ビルカリガンの1番目の頭は、カトゥーンを描かくのに集中していた。
最初からインクを使い、もう、ラフスケッチは描かかなかった。同時にさ
まざまな視点から作業ができるので、目のマルチプリシティ機能を使う
までもなかった。
2番目の頭は、自分の銀行口座の巨額な残高や、ここでの権力や人気
ぶりについて考えていた。そう、カネは銅で、この世界では銅が重要な
金属だった。売り買いするに十分な銅があり、将来は、地球でさえ売る
ことができた。悪いことに、と2番目の頭は考えた。権力と人気ぶりは
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持ち帰ることができなかった。
3番目の頭は、皇帝と話していた。皇帝は、このところ、よく彼に会
いに来た。
「そう」と、皇帝。「明日が契約期限だ。オレは、あんたに残ってほし
い、残ってと説得したい。もちろん、あんた次第だ。強制はしたくない
ので、ここの整形外科医が、あんたをもとの
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ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
話さない方がいい。先に、急いで、宇宙船に戻ろう。ジョ
ニー、道路がなくても、帰り道は、分かるよな?」
ジョニーは、うなづいた。敬礼や船長と呼ぶことは、忘れた。
オレたちは、歩き始めた。誰も、しゃべらなかった。ジョニーの案内
を、オレは、心配してなかった。ジョニーは、オレたちが、テントのこ
とに触れなければ、大丈夫だろう。彼は、リストコンパスで、帰り道を
案内した。
道路のあった終点まで来ると、あとは、粘土の上に足跡が残っていた
ので、それをたどるのは、簡単だった。プロペラのある鳥がいた、紫の
茂みが見える丘まできたが、鳥も紫の茂みも、見当たらなかった。
しかし、宇宙船は、ちゃんとあった。最後の丘から、宇宙船は見えた。
出発したときと、まったく同じ姿で、まるで、我が家のように、見えた。
オレたちは、早足になった。
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10
オレは、宇宙船のドアをあけた。マ
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ネコどろぼう
/FB3/CatBurglar/
ネコどろぼう
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ミッドランドシティ警察の署長は、2匹のダックスフンドを飼ってい
た。名前は、リトルノートとロングリメンバーだった。しかしこのこと
は、ネコどろぼうとは全く関係ない。このストーリーは、いわゆる署長
が、一見すると不可解な一連のどろぼうに━━━ひとりの男の犯罪に興
味をもったその関心事から始まる。
どろぼうは数週間で、19の家に侵入した。見たところ犯罪は計画的
だった。侵入した家にはかならずネコがいた共通点があったからだ。
どろぼうはネコだけを盗んだ。
2
1
1
たまには、現金が見えるとこにあったり、宝石があったが、どろぼう
は目もくれなかった。家主が帰ると、窓やドアがこじあけられ、ネコが
いないことを発見するが、ほかに盗まれたものはなく、室を荒らされて
もい
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エコーバック
/FB3/Rebound/
ホテルから━━━そこでは、お客はみんな出てゆくように
言っただけだが━━━ひとりで、考えたり、夢見たりするために、長い
ウォーキングを始めた。いい場所を見つけた。そこは、山に囲まれた谷
にある小高い丘で、景色が雄大であった。考える時間のほとんどをそこ
で過ごした。そこで、さらに、意欲が沸いてきた。やがて、動き出すで
あろう世界が見えてきて、幸福感がさらに高まった。
独裁者。彼が、自分に皇帝の冠をかんむり授けるだろう。世界の皇帝だ。だめ
なことがあるか?パワーを持つ人間に、はむかえるものがいるだろうか?
パワーが誰をも命令に服従させ、与えることも取り上げることも、さら
に━━━。
「死んじまいな!」
丘の上から、スネルは、叫んだ。声の届く範囲に誰がいようが、おか
まいなしに、気兼ねなく大声で━━━。
エピローグ
ハイキングをしていた若い男女が、つぎの日、スネルを見つけた。急いそ
10
9
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チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
3
ジェイ━━━正式な名前は、Jのあとに12桁の数字がつく━━━と
オレは、ほかの観客といっしょに、帰るために立ち上がった。スタンド
は、いたるところ明るい金属で波打った。
「疑問なのは」と、ジェイ。「かつての人間たちの試合を実際に見るの
と、どのくらい違うのかな?」
エピローグ
「さぁね」と、オレ。「かつての人間たちを実際に見たことがないから
ね。オレはまだ200才にもならないが、少なくともこの400年は、
生きた人間は見つかってないそうだよ。帰りに潤滑油をさしに行かない?
きょうはまださしてないから、サビが出そうだ━━━あすの試合は、い
くら賭けるかい?ホワイトソックスは、チャンスをふたたび得た。実際
の人間たちにはなかったことだ。できる限り、彼らの伝統は保存してい
きたいね!」
(終わり)
8
7
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ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
プ
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世界の終わり
/FB/TheEnd/
今、鏡のように左右反対になってしまって
も、誰も気がつかないのと同じだよ。
あるいは、地球の歴史において━━━なんどか起こっているように、
地球のN極とS極が瞬時に入れ替わっても、渡り鳥たちにとっては、な
んの支障もないのと━━━」
ジョアンナは、納得がいかないまま頬ほほに手をおくと、今朝け さ、右頬みぎほほに新
しくできたばかりのニキビがすっかり消えてしまっているのに気づいて
4
3
喜んだ。
しかし、その喜びは、長く続かなかった。右頬みぎほほのニキビは、そっくり
そのまま、左頬ひだりほほに移動しただけだったからだ。
(終わり)
6
5
8
7
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緑の世界
/FB/SomethingGreen/
まったく、表
情がなかった。
「それは、たいへんなことだが」と、アーチャー。「火星も、悪くはな
い。すぐに、慣れる。火星は、今では、太陽系の中心だ。そこには、3
0億人の地球人が移住している。地球の緑が、恋しくなるだろうが、火
星も、悪くはないよ」
「地球がない」と、マクガリー。声に、表情がなかった。まったく、表
情がなかった。
「そのうち、事実を、受け入れられるようになる。それは、衝撃にはち
がいないけれど。さて、そろそろ、出発できる。噴射管は、じゅうぶん、
34
33
冷えたようだ。出発できるか、確認してくる」
アーチャーは、立ち上がって、小型宇宙艇にむかって、歩き始めた。
マクガリーは、ソラーガンをホルスターからぬいて、アーチャーを撃
った。アーチャー中尉は、もう、そこには、存在しなかった。マクガリ
ーは、立ち上がって、小型宇宙艇まで、歩いた。ソラーガンのねらいを
定めて、
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空想せよ
/FB1/Imagine/
空想せよ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
空想せよ。
さまざまな幽霊。神々。悪魔たち。
空想せよ。
いろいろな地獄や天国。空中に浮遊する都市や、海中に沈んだ都市。
ユニコーンやケンタウロス。魔女や魔法使い。精霊のジンやバンシー。
天使やハルピュイア。魔力や魔法。4大元素、守護神、悪霊。
空想するのは、かんたんだ。
何千年のあいだ、人類は、これらすべてを、空想してきた。
2
1
空想せよ。
宇宙船や未来を。
空想するのは、かんたんだ。
未来は、現実にやってくるし、宇宙船も登場する。
それでは、空想するのは、むずかしいものは、あるだろうか?
もちろん、ある。
空想せよ。
ひとつぶの物質を。
そのなかに、あなたがいて、目覚め、考え、
それゆえ、自分が存在することがわかり、
自分が入っている、ひとつ
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オレとフラップジャックとマルスd星人
/FB4/Flapjack/
オレはまた黙った。
オレの足は全く歩けなかったので、岩の上には、手で這はって戻った。
しかしそれで、続きは見れた。
フラップジャックは、いなないていた。
「たしかに!」と、ラウドスピーカー。「それがお互い、ベストの解決
法だ。オレたちも、すでに文明化された惑星を━━━武力で、あるいは
別の手段で━━━占領するのは気が進まない。もしもあんたが、ほんと
うにいい解決策を提案できるなら━━━」
フラップジャックは、いなないた。
「そうか!」と、ラウドスピーカー。「オレもそれはうまくゆくと確信
する。なぜそれに気づかなかったのか、不思議だ。オレたちは、あんた
のアドバイスに計り知れないほど感謝する。心のこもったお礼を捧げた
い。善良な心で、オレたちは去る。2度と戻っては来ないだろう!」
28
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5
オレのひざはもとに戻って、オレは立ち上がった。しかし、どこへも
行かなか
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ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
ぼく以外はね、教授!」
オッペルバーガーは、深く、ため息をついた。
「働きすぎだな。みんなが言うように、少しは休暇を━━━」
「違いますよ、教授!ほんとに、ぼくです!ミットキーです!今、ぼく
は、話せるんです、あなたと同じように!」
「ミットキーだと?信じられんな。なぜ、姿が見えん?どこにいるんだ
ね?なぜ、そのような━━━」
「隠れてるんです、教授。壁の大きな穴で。すべてが、大丈夫と思える
まで。教授が、興奮したり、ものを投げたりしないように」
「なんじゃと?なぜだ、ミットキー。もしも、ほんとうに、ミットキー
なら、わしが、眠っていたりとかじゃないなら、わしが、そんなことを
せんことも、知ってるはずだろ?」
「分かりました、教授」
ミットキーは、壁の穴から、出てきた。オッペルバーガーは、ミット
キーを見て、目をこすり、もう一度、見て、目をこすった。
「目がおかしい」と、オッペルバーガー。「赤のズボンに、黄の━━━
ありえん!目がおかしいようだ」
「違います、教授、聞いてください!すべてを、お話します」
ミットキーは、オッペルバーガーに話した。
灰色の夜明けが来ても、小さな灰色のねずみは、まだ、熱心に話し続
66
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恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
と、ドクターサーマク
レイン。
「結構よ。でも、今だけ助けてちょうだい。言語障害のウイルスがステ
ーションじゅうに広まっているの」と、キラ。
「しかし、なぜ私を」
「ウイルスを作るのを手伝ったんでしょ」
「いやぁ、私は何も手を貸していない。あれは、ディーコンエルグが作
ったんだ。私は、助手をしていただけだ。もう、ひと昔前のことですよ。
地下活動をしていたのも、半年だけで、すぐ捕まった。私には、何の責
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任もありません」
「責任があるなんて言ってないでしょ!私は、ただ、治療薬が欲しいだ
けよ」と、キラ。
「そんなもの、私は知りません。ディーコンエルグからは、何も聞いて
いない」と、ドクターサーマクレイン。
「いいこと、ドクター、大勢の人の命がかかっているのよ。あなたは、
一度このウイルスに関わりながら、みんなを見捨てる気?」
「同情はしますよ、少佐。しかし、私には何もできない
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ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
ミットキーは、教授の手助けがあったし、暗闇で盗む代わりに、必要な
ものを言うだけですんだ。
いっしょに働いているあいだに、教授は、なにかを思い出した。
「ミットキー!」と、教授。突然に。「きみは、月におったのじゃろ?
聞くのを、忘れておった。月は、どうじゃった?」
「教授、ぼくは、帰ることに夢中で、注意して見てませんでした。覚え
てないです」
機械が完成する、最後の接続まできた。
「教授を信用しないわけでは、ありません」と、ミットキー。熱心に。
「しかし、プロックスの科学者たちとの、約束なんです。この機械が、
どのように動くのか、分かりませんし、教授も、理解できないでしょう。
人間やねずみの科学を、越えています。しかし、約束なので、最後の接
続は、ひとりでやります」
「分かるとも、ミットキー。もちろん、いいとも。ところで、きみが、
これから、ショートさせて破壊するプロジェクターの方は、誰かにみつ
80
79
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天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
「そうそう、排気管がイカれてますよ、早く、修理なさい。排気ガ
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スってやつは、怖いからね!」
警官が、戻っていくと、リチャードが言った。
「今のは、ビッキーでしたよ。惜しいことしましたね。追いかけて、さ
がしてみますか?」
「どうせ、追いつけませんわ。それに、今度だけは、先生のために出て
きたのです」
「よく、かばってくださいました」
「あなたのことを、神父だと言いませんでしたよ。神父が、歯を痛めて
いるのは、ほんとうなのです。それに、この町に、神父の歯医者がいる
のも、ほんとうなのです。もちろん、多少、ごまかした点は、告白しな
くてはなりませんが。さ、目的地に来た以上、取り掛かりましょうね!」
シスターは、車を降りて、ヌードソンのコーヒーショップへ入った。
「失礼します」と、シスター。店長らしき男性に。「お金を払う人をさ
がしているのですが」シスターは、写真を見せた
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
自分のポケットに入れた。
「いいえ、また、お通りになったら、ぜひ、お寄りください。楽しみに、
お待ちしてますわ。それから、道に、お気をつけになって。カーブがき
ついですから」
リチャードは、かばんを持って戻ってきて、かばんを荷台に投げ込ん
だ。チャックは、なにも言わず階段を上がって、店に戻っていった。
「さよなら、お元気でね、おふたりとも」と、ジャネット。手を振った。
トラックは、道に出ていった。ジャネットは、配達された新聞の束を
もって、店に戻った。店では、財布を盗んだチャックが、紙幣を数えて
106
105
いた。
「盗んだのね!」と、ジャネット。「なんて、恥知らずなの、あんたは
!」
「オレが、あの野郎にからまれたって、黙って帰すわけねぇだろう」
「あんたなんか、出ていったって、さびしいどころか、かえってせいせ
いするわ!今日こそ、わが生涯、最良の日だわ!さ、早く、出て行って
|
ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
任務を完了し、ノヴァ太陽系から10
光年離れると、銀河連邦の所長特別補佐に超光速通信を送った。数分後、
ダウネンブランドの顔が、スクリーンに映った。
「Kー1356です。ノヴァ調査の結果です」と、ガーンロバーツ。
「馬族の人口統計を調べますと、彼らの数は、200万ちょっとでした。
一方、彼らの小惑星の所有数は、400万前後でした。このことから、
あきらかに、人族が正しく、馬族は、協定違反をしていると思われます。
それにしても、なぜ、馬族の数の、2倍もの小惑星の所有権を主張し
たのでしょう?
彼らには、たしかに、3対目の足があって、手として使用されていま
した。見かけは、馬というよりは、ギリシャ神話のケンタウロスのよう
な半人半馬で、地球人の氏名と同様、人の名前と馬の名前のふたつがあ
って、どういう意味かはわかりませんが、人格も別だということです」
8
7
(終わり
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
ドアがあいて、アーチャーが入ってきた。
「ガードナー元帥に、つなげ!」と、アーチャー。「伍長!トゥポル少
佐を、第2転送室に、ご案内しろ!」
トゥポルが、ブリッジを出ようとすると、軍曹が、トゥポルのナイフ
と銃を、奪った。
「これ以上、君に、この船のためにしてもらうことは、ない」と、アー
チャー。
スクリーンに、ガードナー元帥が映った。
「アーチャー!」と、ガードナー元帥。「いったい、なにが、起こって
いるというんだ?」
138
137
「私の進言を、ご覧に?」
「われわれ艦隊に、無条件降伏をしろと?きさま、正気を失ったか?」
「ディファイアントのスペックを、見たでしょ?これは、無敵の船です」
「ブラック提督と話をさせろ!」
「今、席をはずしています」アーチャーは、船長席に座った。
「私は、元帥に、艦隊の武装解除を、おすすめします。これ以上、船を
失うわけに、いかんでしょ?」
「
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聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
「ただの、脅しですよ。本気で攻撃してくるとは、思えません」と、ド
クターベシア。
「ドクター、国境紛争の歴史は、習いましたよね」と、オブライエン。
「ああ」
「セトリック三号星の虐殺は?」
「オブライエン、まさか、降伏すべきだとは言わないでしょうね?」と、
キラ少佐。
「降伏しても、殺されますよ」と、オブライエン。
シスコ中佐は、炎上する船内にいた。
「どうしてまた、ここへ、連れ戻したんだ?」と、シスコ中佐。
114
113
「僕らが連れてきたんじゃない」と、ジェイク。
「あなたが導いたのよ」と、ジェニファー。
「ここは、あなたの一部です」と、ボリアン人士官。
「じゃぁ、別のところへ、君たちを導く力をくれ!どこでもいい!」
「自分自身を否定しては、だめよ」と、カイオパカは言った。
「ここを立ち去る手立ては、あなた自身の中にある」
「妻と死をともにしたかった」
「死?それは、なんです?
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
「クリンゴンが転送準備しています」と、オブライエン。
「発進の準備をしろ!」と、シスコ中佐。
◇
キラ少佐のシャトルにデュラス姉妹が転送で現われた。
「約束どおり、延べ棒を持ってきた、13キロある」
「ほら、こっちもだ」と、ルーサは言って、ターナロスにギリトリウム
を渡した。
「エヒ、マッハ」と、ベトールが言うと、デュラス姉妹は転送で戻って
行った。
「それは何?」と、キラ少佐。
「独立の鍵だよ」と、ターナロスは言って、反物質変換器に戻って行っ
た。
66
65
◇
衛星軌道上のシスコ中佐のシャトル。
「クリンゴンが遮蔽して発進」と、オブライエン。
「コースセット!キラのシャトルに接近する」と、シスコ中佐。
「1分12秒後に至近距離です」
◇
ディーエスナインの司令部。
「ディーエスナインからガンジー」と、ダックス中尉。
「どうした?」と、シスコ中佐の声
|
オーマイガー
/FB2/Jaycee/
ドクターラルストンは、まゆをひそめた。
「水をワインに変えたのかい?」
「ジンに変えたんだ。みんな、マティーニを飲んでいたんでね。さっき
も、ジョンは、サーフボードなしで、サーフィンに行くというので、た
ずねると、想像力さえあれば、そんなものは、必要ないというんだ」
「なんて、ことだ」と、ドクターラルストン。顔を手でおおった。
かつて、人類史上、1度だけ、処女懐胎があった。今、5000万の
処女懐胎で生まれた少年たちが、元気に育っていた。
10年後に、新たな5000万のジェーシーが現われることだろう。
「なんてジーザス、ことだクライスツ」と、ドクターラルストン。なみだ声になった。
「なんて、ことオー マイ ガー だ━━━」
(終わり)
8
7
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
ああ、私の作品だ、結局、そのせいなんでしょ?私の作品を
世に出したくなかった。理由は、明らかだ。あの主人公が、黒人だから
でしょ?」
「おい!この雑誌は、ストーンさんのものだ、彼が今月は出さないと言
えば、出さないんだよ」
「良心が痛まないんですか?」と、ベニー。
「他ひと人の良心を、とやかく言うな!そんなもの関係ないんだ。これは、
ビジネスなんだからな。はあ、済まないが、ベニー、まだ悪い知らせが
76
75
ある。これも、ストーンさんの決定だ、もう、ここで働いてもらう必要
はない」
「なに!」と、ハーバート。
「ああ、はあ」と、ダーリーン。
「解く雇びですか?」と、ベニー。
「私に決定権はない、社主の判断なんだ」
「そうか、解く雇びにはできないぞ、辞めてやる、地獄へ堕おちろ!あんたも、
社主もだ!」
「ベニー、落ち着いて」と、ケイシー。
「いやだ、もう、黙らないぞ、黙っていても何も
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
仮の観客に、訴えた。
「痛いわ」と、ジョアンナ。
「今のは、アウトだ、妊娠ブタ。わざと、足を出した」
「妊娠なんですって?」
「妊娠ブタ!」
ジョアンナは、板を持って、追いかけた。
マークは、海にのがれ、泳いだ。
「結局は、戻ってくるのよ」と、ジョアンナ。座って待った。
マークは、10メートル沖まで泳いで、足がつったふりをした。
「助けて!」と、マーク。「おぼれる、おぼれる」
ジョアンナは、笑いながら、見ていた。
「助けて!」マークは、そのまま、沈んだ。
178
177
ジョアンナは、笑いながら、見ていた。
「マーク!」ジョアンナは、走って、海へ。
マークは、両手を上げて、ゾンビになって、歩いてきた。
「ハハハ、バカな男だこと!」
「ウウウー」と、マーク。下アゴを、突き出した。ジョアンナも、下ア
ゴを。
◇
道端に停めた、赤のオープンカーで、ジョアンナは、記憶から戻
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
大丈夫よ。忘れないで、わたしが艦長よ」
「わかっています」
「機密チャンネルに、通信が入っています」と、トゥヴォック。「音声
のみです」
「ドクターの友達だろ」と、チャコティ。「はなしを聞こう。ドクター」
「ううん、もしもし、ヴォイジャーだ。私だよ」と、ドクター。
「ドクター」と、異星人のオペレータ。「困ったことが、おきた。タイ
プフォーの攻撃に、変更になったんだ。レーザーの周波数が、つぎつぎ
に変わるんだよ。わたしには、どうしようもない」
「回避行動だ」と、チャコティ。
「船が3隻、左舷さげん前方に現われます」と、トゥヴォック。
被弾ひだんして、ブリッジが大きくゆれた。
「これが、威嚇いかく射撃か?」と、トムパリス。
82
81
「命中です」と、トゥヴォック。「シールドは、維持しています」
「通信が入りました」と、ハリー。
「いくぞ、ドクター」と、チャコティ。
「スクリーンへ」と
|
失われた文明3永遠の生命
/FB3/Discovery3/
失われた文明3永遠の生命
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命
の秘密だった。
これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ
ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ
うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの
かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお
るほど怖おそれていたからだ。
2
1
1
スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分
の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、
世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、
ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆発を
|
アボミっぽい
/FB3/Abominable/
彼に、変異の薬を与え、肉体的に変化させ、われ
われの仲間にさせる。そのようにして、だいたい一定の数になるように、
われわれは仲間を確保している」
「し、しかし、それが」と、シャウンシー卿。どもりながら、訊きいた。
「私が捜している、ローラガブラルディに起こったことなのか?彼女は、
今、8フィートの背丈で、毛深くて━━━」
「そう、だったね。彼女は、今、きみが殺した。われわれのひとりが、
彼女を妻として、捕らえた。彼女を殺したことで、きみに復讐するつも
りはない。ただ、きみは、いわば、彼女の代わりになる必要がある」
「彼女の代わり?私は、男なんだが」
10
9
エピローグ
「なんという幸運!」と、声。
シャウンシー卿は、うしろを向かされ、大きな毛深いからだに抱きし
められた。彼の顔は、ちょうど、山のような毛深い乳房のあいだの高さ
だった。
「なんという幸運!だって、わたし
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
あんたは先頭にいて、オレ
たちが誰かと出くわさないようにする。もしも誰かがいたら、なにかし
ゃべって!その声を聞いて、オレたちは止まって待つ」
彼女はうなづいた。
アムはダッチの肩を持って、オレは両足を持った。やつはあまりに重
かったので、ふたりの間に挟はさんで酔っ払いのように移動させることはで
きなかった。いちかばちか、運んでみるしかなかった。
ホールを抜けて、階段を降ろした。毎日やりたいような仕事ではなか
った。
毎回休憩をとりながら運んだ。ドアはクレアが言った通りだった。裏
の路地には誰もいなかった。やつをキャブに乗せ、後ろの座席の床にジ
ャックナイフのように折り曲げて、クレアがそのために持ってきてくれ
た毛布を掛けた。
オレは座り込んで、額をひたいぬぐった。アムもそうした。
それからアムが運転席に座り、クレアとオレは後ろの席に座った。
アムは言った。「最後の休憩場所は?」
オレは言った。「フランクリン通りの路地━━━いや、忘れて!あそ
こにだけは、こいつを置きたくない」
クレアは言った。「数週間前まで住んでいた場所を知っている。ディ
ビジョン通りのアパート。その裏の路地に置いておけば━━━」
492
491
|
殺人アシスタント
/FB3/Hobbyist/
「一筆いっぴついただきいたいことがあります」と、店主。「奥さんと私の安全
のために。あなたがしようとしていたことの告白です。あなたの殺人計
画を書いてもらって、それを私の友人に送るまで、少し待っていてくだ
さい。友人はそれを保管して、もしもあなたが妻や私を殺した場合は、
証拠として提出します。それを投函してしまえば、ここへ戻っても安全
ですから、あなたに解毒げどく剤を出せます。今、紙とペンを持ってきます」
エピローグ
「あと、もうひとつ」店主は、なにかを思いついた。「これはどうして
も、というのではないですが、検知されない毒薬のうわさを広めてくれ
ませんか?このうわさが、あなたの敵からあなたの命を救うことになる
かもしれませんよ!」
(終わり)
8
7
|
眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
ゲームに心躍るなんて、何年ぶりかですよ」
「これはゲームじゃない」
「いいえ、ゲームです、ゲームは人間性をあらわにする」
「どこにいるんだ?」
「あなたの目を見ましたよ。私がノーグを人質に取った時、私を殺した
いと思ったでしょ。目にはっきり殺意が出ていましたよ」
「僕は、ただ、部下を無事に返して欲しいだけだ」
「いいや、あなたは殺人鬼だ。私もです。合法的な連邦士官の仮面の下
には、獣 けものが隠れている。私とおんなじだ」
「いやぁ、僕は、君とは違う」
「いやぁ、同じです、セトリックスリーで何人カーデシア人を殺しまし
た?十人、二十人、百人」
「覚えてないね」
54
53
「しかし、気持ちは覚えているでしょう。これ以上カーデシア人に、部
下を殺させまいと、打って出た時の気持ち、血には血をだ。敵を殺すの
は、楽しかったはずです。瞳から、生気が失われてゆくのを見るのは、
快感だったはずだ」
|
アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
かたく目を閉じたまま。「時間をくれ
れば。でも、引き算は、できない!時間があっても!」
「あなたは、もちろん」と、赤の女王。アリスに。「自分の名前のスペ
ルは言えるわよね?」
「ええ」と、アリス。
「わたしだって!」と、白の女王。小声で。「声を合わせてだってでき
るし、そっと教えることも。ワードは、みんな大文字なら読めるし。が
っかりしないことね!そのうち、できるようになるわ!」
「つぎの質問!」と、赤の女王。「パンは、なにでできている?」
「もちろん、分かるわ!」と、アリスは叫んだ。「小麦粉と━━━」
「花は、どこでつんだの?」と、白の女王。「庭?それとも、生け垣?」
「いいえ、つんではいないわ!」と、アリス。「地面の上に━━━」
「なんエーカーの地面?」と、白の女王。「説明を省略しすぎ!」
「頭が疲れてるのよ!」と、赤の女王。心配そうに。「考えすぎで」
ふたりの女王は、葉の付いた枝をあおいで、アリスの頭に風を送った。
「もう、十分です!」と、アリス。あおぐのをやめてもらった。
「これで、元気になったわ!」と、赤の女王。「フィデュルディディの
246
245
フランス語は?」
「
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
ふたりは、未来のためにメントール酒で乾杯してから、建物の屋
上に行った。そして、ロケットが着陸する北を見た。
薄い大気の向こうに星が輝いていた。
エピローグ
地球の月の第1観測所。
ログエベレットは、天体望遠鏡を見ながら歓声を上げた。
「やったぜ、ウィリー!これで古い惑星、火星の成分表が分かる!」
ログエベレットには、確信があった。コンピュータの分析結果を見る
までもなかった。ログエベレットとウィリーサンガーは、重々しく握手
をかわした。歴史的瞬間だった。
8
7
「ログ」と、ウィリーサンガー。「ロケットがだれも殺してないといい
けどね、火星人とか。大シルチス台地のど真ん中に命中したんじゃない
?」
「ほぼ、そうだ。記録で見ると、目標の座標を南に千マイルずれたよう
だ。しかし、5千万マイル離れたショットとしては、まずまずだ。ウィ
リー、火星人はいると思うかい?」
|
あごひげ彩か
/FB3/Beard/
どうした?
マリアンヌ、きみはカラー音痴なのを知っている。父親はマリアンヌ
に、オレのあごひげは赤だって言ったろ?」
「そうよ、違うの?」
「ほんとうはね。父親はオレが外出するときに携帯染料で赤く染めた色
を見たのさ。しかし家にいるときは、自然なグリーンが好きなので、カ
ラー音痴の妻をもらった。違いが分からないからね。
いままでの妻たちは、みんなカラー音痴だった」
ビリーは、深くため息をついた。
6
5
エピローグ
「オレのあごひげの色にもかかわらず、みんな好奇心いっぱいになって、
マリアンヌのようにクローセットの中を見たがるのはなぜなんだろう?
お墓はそこにはない。屋根裏さ」
ビリーは、マリアンヌをがっしりつかんだ。
「おいで、ダーリン」と、ビリー。「お墓を見せてあげるよ!」
(終わり)
8
7
|
失われた文明2不死
/FB3/Discovery2/
失われた文明2不死
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
失われた大きな発見の2番目は、不死の秘密だった。
不死の秘密は、1952年、合衆国海軍無線技師のポールヒッケンド
ルフ中尉が発見した。その装置は小さな箱に入った電子基盤で、ポケッ
トに入れて手軽に持ち運べた。箱のスイッチをオンにすると、装置を持
っている人のまわりがフォースフィールドで覆おおわれ、その力の強さは、
ヒッケンドルフのたくみな数学で計算しても、ほとんど無限であった。
2
1
1
フォースフィールドは、いかなる熱や放射線も完全にシャットアウト
した。
ヒッケンドルフ中尉の計算によると、人間は━━━男だろうが女だろ
うが、子どもでも犬でも━━━このフォースフィールドの中にいれば、
至近距離で水爆が爆発しても守られ、かすり傷さえ負わなかっ
|
ある日どこかで
/SY/SomewhereInTime/
ある日どこかで
原作:リチャードマシスン
リチャードマシスン
プロローグ
◇
2
1
◇
1
(つづく)
4
3
|
オールウェイズ
/SY/Always/
オールウェイズ
原作:デイビットベーム、チャンドラースプレイグ
ジェリーベルソン
プロローグ
◇
2
1
1
(つづく)
4
3
|
タイムマシン第1号
/FB/FirstTimeMachine/
あたりがかすんで、スメドリーは、荒地に立っていた。スメド
リーは、すぐに、自分がいる場所を計算した。ここが、グレンジャー博
士の家が、建てられる場所なら、祖父の農場は、南へたった1マイルの
場所だった。彼は、歩き始めた。途中、りっぱな棍棒こんぼうになる木の棒を見
つけた。
農場の近くで、赤毛の若者が、犬を鞭むちで打ぶっていた。
「やめろ!」と、スメドリーは、どなりながら走って若者に近づいた。
「オメェにゃ関係ねぇ!」と、若者は、鞭むちをふるい続けた。
スメドリーは、棍棒こんぼうをふりおろした。
◇
6
5
60年後。
「諸君、タイムマシン第1号です」と、グレンジャー博士。
二人の友人が、その機械を見つめた。
(終わり)
8
7
|
ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
「顔の感覚がない!」と、サイモンフェック。窓から出していた顔を、
引っ込めた。
「時間だぞ!サイモン!」と、ロイ。
「すごい牽引力だ!」と、サイモン。汽笛のヒモを引きながら。「これ
は、5万トンもの重量を引っ張ることができる!」
運転手がヒモを取り戻した。
「液体式ディーゼル機関車?」と、サイモン。運転手に訊きいた。
「そう」と、運転手。
108
107
「液体式だ!」
「ゼファーを見ないのか?」と、ロイ。
「見る」と、サイモン。
◇
ジューンは、個室を出て、通路を後ろに歩いた。食堂車に出た。
「すいません」と、ジューン。
「グーテンモルゲン、ミス」と、カウンターの向こうのボーイ。
「今、どこかしら?」
「ここは、オーストリアです」
「オーストリア!」と、ジューン。窓の外を見た。
「朝食は、いかがです?」と、ボーイ。
「ええ、いただくわ!」と、ジューン。カウンターに座って、
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
ティラノサウルス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
長い日々のあいだ、彼は、空腹の森をぬけ、低い木や砂の、空腹の平
原を横切り、のっそりとさまよった。大きな水に流れこんでいる、静寂
の流れのわきに沿って、さらに、さまよった。いつも、空腹だった。
ずっと、長いあいだ、空腹だった。
たまに、食べられそうなものがいたが、いつも小さかった。ひづめの
あるやつだったり、足指が3つだったりした。みんな、とても小さかっ
た。そんなやつらの1匹では、彼のものすごい食欲のほんの1片しか満
たしてくれなかった。
2
1
それに、小さいやつらは、とてもすばしっこく走った。やつらを見つ
けて、大きな口からよだれをたらしながら地面をゆらして突進してゆく
と、やつらは、木々のあいだを毛皮のいなづまのように、さっと、どこ
かへ行ってしまっ
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
傾きが、戻って、ふたりは、床に立った。
「ジム」と、スコット。上から、物が落ちてきた。
「チャーリー、まず、パワーの回復だ。急げ!」
エンタープライズは、ナセルから煙を上げながら、落下していた。
カークとスコットは、通路を走った。
通路が傾いて、壁を走った。
「跳べ!跳べ!」と、カーク。
ふたりは、曲がり角を、飛び越えた。
◇
エンタープライズのブリッジ。
「緊急動力、15パーセント、低下中」と、技術仕官。
236
235
◇
エンタープライズの機関室。
カークとスコットは、手すり階段を渡っているときに、傾いて、宙吊
りになった。
「ジム」と、スコット。
「がんばれ」と、カーク。
「だめだ」
スコットは、手を離し、カークに、片手で、つかまった。
カークも手すりから手を離すと、別の手につかまれた。
「つかみました」と、チェコフ。
「チェコフ」と、カーク。
|
そよぐ幻影
/OT/SoyoguGenei/
そよぐ幻影げんえい
大手おおて拓次たくじ
あなたは ひかりのなかに さうらうとしてよろめく花はな、
あなたは はてしなくくもりゆく こゑのなかの ひとつの魚うを、
こころを したたらし、
ことばを おぼろに けはひして、
あをく かろがろと ゆめをかさねる。
あなたは みづのうへにうかび ながれつつ
ゆふぐれの とほいしづけさをよぶ。
あなたは すがたのない うみのともしび、
あなたは たえまなく うまれでる 生涯しょうがいの花はなしべ、
あなたは みえ、
あなたは かくれ、
あなたは よろよろとして わたしの心のこころなかに 咲さきにほふ。
みづいろの あをいまぼろしの あゆみくるとき、
わたしは そこともなく ただよひ、
ふかぶかとして ゆめにおぼれる。
ふりしきるさざめきのやうに
わたしのこころは ながれ ながれて、
ほのぼのと 死しのくちびるのうへに たはむれる。
あなたは みちもなくゆきかふ むらむらとしたかげ、
かげは にほやかに もつれ、
かげは やさしく ふきみだれる。
(昭和八年六月二十九日)
2
1
|
アンドロメダⅡの来訪者
/FB/AllGoodBems/
けれど、なんとしてでもさがしたいと思っている。ワン
という名のベムは、あんたの心に、そのアイデアを植えつけていったよ
うだね。ワンは、ぼくもそこからなにかが得られる、って言っていたよ」
「そうだね。その場所を話してくれるかい?」
「いいよ。今、あんたが食べたサンドイッチだけど、スライスハムの先
に小さなゴミのようなものがあったんだ。ほとんど、顕微鏡でないと見
えないサイズだったけど、それを、あんたは、今、食べてしまった━━
━」
36
35
エピローグ
エルモスコットは、両手を頭の上においた。ドーベルマンは、開いた
口から、長い舌を、だらりと垂らして、今にも笑い出しそうだった。
エルモは、責めるように、ドーベルマンを指さして、言った。「おま
えは、オレに、生活のために、一生、小説を書き続けろというのか!」
「なぜ、だめなの?」と、ドーベルマン。「ワンは、それで、あんたが
|
ザ・オフィス
/FB5/TheOffice/
キャビネットの上に書類の入ったカゴが置いてあった。一
番上の紙を取り上げて、名前を見て、それぞれのファイルに入れていた。
単調な仕事に違いない、とマーティは考えた。
すばらしいアイデアを思いついて、彼の目が輝いた。彼女が取り上げ
た手紙のひとつが、ヒーラー&リー社やシンシナティ旋盤会社といった
宛名でなく、ミス・ステラクロスターマン宛てになっていたら?なぜだ
めなんだ?彼女をデートに誘ううまい方法だ。コンガ氏が手紙を口述筆
記させるときの形式ばったビジネスレターのように書ければ、なにかの
目的のためにうまくしゃべれるようになる第一歩になるだろうし、今ま
で恥ずかしがり屋だと思われていたのは、ただの気まぐれだったと見な
されるようになるだろう。
「ミス・ステラクロスターマン
コンガ&ウェイ様方
シンシナティ、オハイオ州
親愛なるミス・ステラクロスターマン:」
よく考える時間がなく、少し怖かった。つまり、少し考えて、心に決
めてしまったので、彼女がどう考えるだろうかとかどういう返事をくれ
るか心配し出した。ウィビロービィ氏が見てないことをさっと確認して、
デスクの引き出しから1枚紙を出して、開ひらいたままの元帳の上に広げて、
書き始めた。自分の大きな誇りになっている、きれいなスペンサリアン
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17
書体で、デートという目的のために書いた。簿記係として、マーティは
単に
|
ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
そのリングをはめている限り、きみの奥さ
んがきみに隠れて浮気をすることは不可能だ」
4
3
デビルは、消えた。
ハンスカーベルは、目覚めた。
そしてリングをはめていることに気づいた。
悪魔が約束したことはホントだった。
エピローグ
若い妻も目覚め、体をもぞもぞさせて言った。
「ハンス、ステキなリングをしてるじゃない。ダーリン、だれに?」
「夢のなかのデビルさ━━━つぎは、もっと実用的なものをもらうよ」
(終わり)
6
5
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
「なんですって?」
「きのうの夜、サラに会いました。屋根の上の少女は、サラだったんで
す。信じられないでしょうが、神が、サラの魂を召していなかったら?
いつの日か、役目を果たせるよう、サラをこの世に残しているとしたら?
その時まで。今━━━」
シスターは、おそるおそる、人形をさし出した。
22
21
エピローグ
病院の集中治療室。ポールは、装置をはずして、意識のないキャシー
の体を、シーツにくるんで抱き上げた。ナースが驚いて、制止しようと
した。
「いけません!」
「ぼくの娘だ!」
「先生の許可なしに、連れ出すのは」
「家に連れて帰る!」
ナースは、すぐに、医師に電話した。
ポールは、助手席にキャシーを座らせて、シートベルトをすると、車
のエンジンをかけた。キャシーは、やすらかに眠っているようにみえた。
家に帰って、ベビーベッドに寝かせ、毛布をかけた。
ポールは、
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
「分からないな」と、チャーリー。
「それじゃ、はじめから考えよう、チャーリー」と、オレ。「それは、
動いていた。いろんなドリンク類を出してくれた。2杯のカクテルを作
ってくれた。それは、いわば━━━」
「そこを考えていたとこだ」と、チャーリー。「きみが、殴ってくれ!
と言って、ドリンクを取ろうと、かがんだら、なにが起こった?」
「気流。それに、殴り倒されたよ、チャーリー。文字通りに。どうやっ
て、オレは自分にしたんだろう?注意したいのは、目的語の違いだ。殴
ってくれ!は、オレに対して。あとの、自分を撃っちまいな!は、相手
に対してだ。もしも、撃ってくれ!と言ってたら、どうなっていたかな」
オレはまた、心の背に引っ掛かるものを感じた。
チャーリーは、呆然ぼうぜんとしているように見えた。
「それは、科学的に作られたんだ、ハンク」と、チャーリー。「偶然で
きたのではない。ぼくに間違いがあったのだとしても、きみが考えてい
ることは、まったくのナンセンスだ」
42
41
エピローグ
同じことを、また考えようとした。別の角度から。
「たとえば」と、オレ。「きみの装置が、脳に影響
|
ユスタックウィバーの短い生涯1
/FB3/Weaver1/
ユスタックウィバーの短い生涯1
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。競馬
なら、2ドルから始めて、すぐに数千ドルにできるだろう。
2
1
1
しかし、顔見知りのノミ屋がすぐに破産してしまい、ほかにノミ屋を
知らなかったので、競馬場に行く必要があった。今やっている競馬は、
南カルフォルニアとフロリダだけで、どちらも同じ距離、飛行機代は、
だいたい100ドルだ
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
それは、イギリスの首相
を暗殺させた。それは、サクセス湖で、暴動をおこさせ、ミサイル基地
の兵士に、ミサイルを爆発させた。なんてことだ、ビューティ、この世
界は、あと1週間で、最終戦争に突入する。それを、実際に、やってし
まったんだ」
6
ビルは、窓に行って、ネコのやわらかい毛をなでた。そして、公園の
照明で浮かびあがる、対空砲に、眉をひそめた。
たしかに、その生命体は、それをやった。私が正しいとしても、彼を
止めることはできなかった。なぜなら、彼が、どこにいるか分からなか
ったからだ。誰も、今、私を信じてくれないだろうし。彼は、世界を、
火星人に安全なものに変えるだろう。最終戦争が終わったとき、あのシ
リンダーに似た、多くの小さな宇宙船が、あるいは、大きな宇宙船も、
ここにやってきて、10倍は簡単に、地球は、乗っ取られてしまう。
36
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ビルは、すこし震える手で、タ
|
八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
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ニュー芝浦
「わたしが幽霊になって、あなたの夢に出てくるですって?」と、大海
八尋。
ニュー芝浦エアポートは、行き交う人でごった返していた。
「そうなんです、しかも僕は僕で、21世紀のタクシードライバーとや
らをやってる夢なんです!」
「あなたも21世紀かぶれになったわけ?今は121世紀よ、そんな1
万年も前の古代文明を知ってなにになるっていうの?いつからそんな夢
を見るの?」
「やはり、1万年アニバーサリーが始まってからでしょうか?」
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「その幽霊、ご職業は?」
「幽霊に職業があるのかわかりませんが、生前はやはり、キャビンアテ
ンダントでしょうか?あの気の強さから察するに」
「どういう意味よ、CAがみんな気が強いってわけじゃないのよ!それ
にその頃
|
SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
1.自分のオリジナル作品を、非公開URLにて、掲載可能です。
表示は、縦書きで、ルビ可能です。PC上から、印刷可能です。
2.出版
|
SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
/
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原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
試用版 ゲストルーム
をリリースしました。
二.
サイト 内 検索
をリリースしました。
三.
郵便番号検索
をリリースしました。
四.
世界の国旗
をリリースしました。
五.
和暦⇔西暦・早見表
で、令和を新年号としました。
六.
ネット広告をすべて廃止しました。
ページ、
ページ、
その他:広告なし
◇◆Alt-C Alt-Pともに、広告なし◇◆
左
中央:初出年月・初放映日・初出雑誌・他
右
七.
宝くじ
|
ザ・ハウス
/FB1/TheHouse/
ザ・ハウス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、家のポーチまで来ると、中に入るのを、すこしためらった。背
後の道や、道端みちばたにはえた緑の木々や、黄の平原、遠い丘、それに、明る
い陽射しも、これが、最後の、見おさめだった。それから、ドアをあけ、
中へ入った。背後で、ドアが閉まった。
うしろを振り返ると、あるのは、ただの壁で、ドアノブも鍵穴も、ド
アのへりさえなかった。へりがあったとしても、うまくまわりの壁に溶
け込んで、輪郭さえ見つけられなかった。
2
1
1
目の前にあるのは、くもの巣のように広がる広間だった。床には、ほ
こりが厚くつもり、その先には、細く曲がりくねった通路が、2匹の小
さな、へびか、あるいは、2匹の大きな、いも虫のように、続いていた。
暗く見えにくい通路で、右の方の最初のドアに
|
失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
女性が
完全に眠ったと思われるまで待ってから、宦官かんがんがホールの方を向いて、
カーテンドアの動きに気づかない瞬間をねらってすべりこんだ。ホール
も薄暗かったが、室内は真っ暗闇だった。手さぐりで慎重に進み、寝床
を見つけた。静かに眠っている女性に触れた。彼女は悲鳴をあげた。
(サルタンは、夜にハーレムを訪れず、ひとりあるいは数名の妻たちを、
自分の住まいに呼び寄せるだけであることを、彼は知らなかった)
エピローグ
すぐに、宦官かんがんが入ってきて、彼をつかまえた。
「そうか、これだったんだ」と、プレーター。死ぬまぎわに考えた。
「これが、透明人間の弱点だったんだ。完全な暗闇では、なんの役にも
たたなかったんだ!」
最後に聞いたのは、片刃刀かたはとうのヒュッという音だった。
(終わり)
8
7
|
フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
そう、ロバートは今、腰がなくなっている
ことに気づいた。しかし、どうやって?
「しかし、どうやって?」と、ロバート。「つまり、ロレーヌ、どうや
って?」
「子孫を増やすかって?」と、ロレーヌ。「かんたんよ、ダーリン。陸
上の生物のようなめんどうなことはないわ。人魚は哺乳類ほにゅうるいだけど、卵らん生せい
なの。時がくれば、わたしが卵をうんで、卵がかえったら、赤ちゃんを
育てるわ。あなたの役割は━━━」
「そう?」と、ロバート。心配しながら。
「ほかのフィッシュと同じよ、ダーリン。あなたは卵の上に泳いでいっ
て、受精させるの。それだけよ」
「ギャーッ!」と、ロバート。ふいに溺れ死のうとして、花嫁をおいて、
海底にむかって潜もぐっていった。
しかしもちろん、人魚にはエラがあったので、溺れることはなかった。
10
9
(終わり)
12
11
|
悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
「悪魔だから、自分でもやめられなくて━━━」と、ニック。
32
31
「こいつ」トニーは、1歩出た。ふたりも、続いた。
「ああ、分かった!分かった!」
ニックは、3人を制止してから、両手を、上下に、すばやく、3回叩
いた。
3人は、何事かと、あたりを見回した。
「埋め合わせしたよ。普通なら、やらないが、善意のかけらもない、と
思われたくない」ニックは、上着を手にもった。「ピート、楽しかった
よ。次は、うちで、ゲームでも。それぞれを、忘れずに、招くようにす
る。では、これで」
ニックは、ドアから出て行った。
すぐに、ピートが鍵を掛けた。
「みんな、来てくれ!」と、マーティ。キッチンのドアから、出てきた。
「死んで、天国に来たかと思った!」
キッチンのテーブルの上は、くだものやハムやローストビーフ、パン
などのご馳走で、いっぱいだった。
「冷蔵庫に、ビールが!」と、ジミー。冷蔵庫に、びっしり、ビールが
並んでいた。
「早速、いただこう!」と、ピートとトニー。パンに、いろんなハムを
のせ始めた。
「悪いヤツじゃなかったのかも?」と、マーティ。大きなお皿に、ロー
|
ユスタックウィバーの短い生涯3
/FB3/Weaver3/
きみを罰ばっしなければならない」
「し、しかし」と、ウィバー。あわててどもった。「レース結果を知っ
ただけで」声がすこし強くなった。「まだ賭かけてもいない!」
「それは確かだ」と、ブロンド。「タイムマシンの発明者は、たいてい
なんらかの賭け事に勝つために使用する。そういう場合、われわれは初
めは警告する。きみの件を調査したが、きみは最初に店の金を盗むため
にタイムマシンを使用した。それは、どの世紀においても、犯罪だ」
タイムパトロールは、ポケットから銃のようなものを抜いた。
「まさか、本気じゃ━━━」と、ウィバー。後ずさりした。
「本気だよ」と、ブロンド。引き金を引くと、閃光が走った。
このとき、タイムマシンは不活性フィールドでおおれていた。
それが、ユスタックウィバーの最後だった。
(終わり)
8
7
|
おばばのバースデイ
/FB3/GrannysBirthday/
ウィリアム!」と、おばば。「わしは、なにがあったか
見てたよ。わしらのみんなも、見てたよ。あのふたり、クロスとスミス
は、殴り合ったんだよ。そして、相手を殺した。クロスがスミスを殺し、
クロスは殴った拍子に目を回して、暖炉に頭を打った。ヘンリーを刑務
所には送れないよ、そうだろ、子どもたち?わしら以外の部外者がやっ
たのさ。ヘンリーは、混乱して動いたから、ケンカしてるように見えた
だけさ。残りのわしらで━━━」
ヘンリーを除く、ハルペリン家の男たちは、スミスを取り囲んだ。お
ばばを除く、女たちもすぐ後ろにいた。円は、だんだんせばめられた。
エピローグ
スミスが最後に見たのは、玉座に座ったおばばだった。目はビーズで、
興奮し決意がみなぎっていた。スミスが、ひと言もしゃべれなくなった
沈黙の中で、最後に聞いたのは、ハルペリンおばばのくっくっという笑
い声だった。そのとき、最初の打撃がきて彼をよろめかせた。
(終わり)
10
9
|
存在のわな
/FB4/Trap/
すぐにあっという間に、完全に消失して
しまったことである。
彼のリードに従わなかった、少人数の真の愛国者たちが、もしも彼の
暗殺に成功していなかったら、21世紀最後の世界史は、歴史上、類るいを
見ない凄惨せいさんな大虐殺史となっていたことだろう。彼が征服した国々を、
皆殺しにしたり、あるいは容赦のない弾圧は、多くの国で行われた。破
壊が広範囲にわたったことは、彼の持つ軍事力からいって、ほとんど疑
う余地がない。彼は世界を征服したかもしれない。けれども、もちろん
最終的には、アメリカそのものが最も打撃を受けた。
ジョンディックスは気が変だったと言ったところで、彼自身の国の人
々に及ぼした、彼の力のすごさをほとんど説明してない。彼は超人的パ
ワーを持っていたとする、現在の迷信を信用することもできるかもしれ
ない。しかし、彼がスーパーマンだとしても、かなり歪ゆがんだスーパーマ
48
47
|
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
ふたりには、わかった。見えなくなった目で、互いの腕をとりあい、
残された数秒のあいだ、互いを絶望的に固く抱きしめた。最後の瞬間が、
今、重要なことのすべてだった。
「あいしてるよ」
「ジョン、ジョン、わたしの━━━」
衝撃がやってきた。
静かな夜は、昼と化し、巨大な赤の花がさらに、巨大化して、空をお
おいつつあった。
直径30マイルのすい星の衝突は、水爆の1千億倍のエネルギーで地ち
殻かくを溶かし、マグマの津波つなみは、高さ100マイルで30分後に地球の反
対側までくると、互いにぶつかりあって、波打った。
「チャップン、チャップン」
「チャップン」
(終わり)
6
5
|
小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
来てないよ。この2・3日、夫妻には会
ってない」
やつは、飲みおえて、訊きいた。
「もう一杯、どうだい?」
いいや、と言いかけて、やめた。オレの眼が、偶然、ほんとうに偶然
だが、クローゼットのドアに気づいた。前にいちど、中を見たことがあ
った。奥行きは、広くはないが、男がひとり、立てるほどのスペースは
あった。女でも。
「ありがとう、ハンス。もらうよ」
歩いていって、ハンスにグラスをわたした。ハンスは、グラスをもっ
44
43
て、キッチンへ行った。オレは、いそいで、クローゼットのドアまで行
って、あけようとした。
かぎが、かかっていた。
ドアにかぎは、ついてなかった。いみがわからなかった。出かけると
きに、外のドアや窓にかぎはかけるが、クローゼットのドアに、かぎを
かけるだろうか?
「小さな子羊よ
だれが なんじを
つくったの?」
ハンスは、両手に、マティーニを持って
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
「ショーティ!あす、グラン
ドピアノを、クラブからもってこい!このピアノは、用済みだ」
「処分しますか?」と、ショーティ。
「刑務所にいる、エディに、送りつけてやるか━━━喜ぶだろうよ!」
ミッキーは、エレンのあごをつかもうとして、振り払われた。
ショーティは、了解して、戻っていった。
「お前を試してやる!」ミッキーは、リックに言った。「ダンス曲を弾
け!ガーシュインの新曲、スワンダフルだ!」
「ああ━━━その曲は知りません」と、リック。
「今年の話題曲なのに?」
「ええ」
「弾いてあげたら?」と、エレン。「みんな、大喜びよ!」
「どけ!」と、ミッキーは、リックの左に座った。
リックは、演奏が途切れないように、右にずれながらも、軽く弾き続
けていた。
「まず、スローで」ミッキーは、スワンダフルを弾き出した。「次は、
アップテンポだ!」
ミッキーのピアノは、軽快なリズムに乗ってきたので、リックは、ゆ
28
27
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
スポックは、それを、聞いて、カークに詰め寄った。
「重要な情報を、私に、隠していたんだな?」
「きみは、こいつを、飛ばせるよな?」と、カーク。
「飛ばしたことが、あるようだが?」
「頼むぜ!」カークは、出て行こうとした。
「ジム!」と、スポック。「計画が成功する確率は、4・3パーセント
以下だ」
「うまく、いく!」
「もし、私が戻らなかった場合、ウラ中尉に」
「スポック、うまく、いく!」カークは、出て行った。
スポックは、イスに座ると、自動的に、回転して、所定位置についた。
「おもしろい!」と、スポック。
「出発シーケンス開始!」と、コンピュータ。
高速船は、掘削船の中を、飛行した。
186
185
◇
掘削船の貨物室。
カークは、ネロにフェーザーを構えた。
「ネロ、部下に、ドリルを止めるように、言え!」
カークは、潜んでいた兵士に、殴られた。カークのフェーザーは、
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
楽しみましょう!このところ、ずっと、家にい
34
33
たし。そろそろ、楽しんでもいいころですよ」
サムは、深くいきをした。「オーケー、ディック。そう言うなら、ぼ
くも、すこしは、リラックスしたいね」
エディスは、オーブリーといっしょに、戻ってきて、弟に目くばせし
た。
「さぁ、男性諸君は、下へ行って、通りの角のスタンドで、タクシーを
拾ってきてくださる?オーブリーとわたしは、時間になったら、下へお
りてゆくわ」
男たちが、コートを着ているあいだ、リチャードは、サムの背後から、
エディスに合図を送り、彼女は、うなずいた。
エピローグ
外は、数ヤード先しか見えないくらいの、濃い霧が出ていた。サムは、
自分がタクシーを拾ってくるから、リチャードは、玄関で、エディスと
オーブリーを待っていてくれ、と言って、先に行った。サムが戻る前に、
エディスとオーブリーも出てきた。
「人
|
アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
あなたにプレゼントします!」
「なんて安上がりなプレゼント!」と、アリス。声に出さずに。「誕生
日に、そんなプレゼントはごめんだわ!」
「また、考え事?」と、公爵夫人。鋭いアゴを、また、アリスの肩に食
い込ませながら。
「考える権利くらいあるわ!」と、アリス。鋭く。新たな心配事を感じ
ながら。
「権利ね」と、公爵夫人。「ブタにも飛ぶ権利はある。物事のM━━━」
「まぁ」と、アリス。自分に。「お気に入りの道徳についてしゃべろう
として、やめてしまった!公爵夫人の腕が、わずかに震え出した!」
アリスが顔を上げると、目の前に女王が立っていた。
腕を組んで、嵐の前の稲光のいなびかりように、顔をしかめていた。
「いい天気ですね、陛下!」と、公爵夫人。低い弱々しい声で。
「あなたに警告します!」と、女王。しゃべりながら、地面を1度踏み
鳴らした。「あなたかあなたの首が、飛びます。半一瞬後です。どちら
か、選びなさい!」
公爵夫人は自分を選んだ。そして、姿が消えた。
◇
170
169
「さぁ、クロケットの試合を続けましょう!」と、女王。アリスに。
アリスは、驚きのあまり、ひと言も
|
武器
/FB2/TheWeapon/
究極の武器に関する、
研究をしてます。しかし、個人的には、それは、科学の進歩の副産物に
すぎません。研究を推し進めることが、唯一、関心のある事なのです」
「しかし、グラハム博士、人類は、究極の武器をもつ、準備ができてる
んですか?」
グラハムは、眉まゆをひそめた。
「ニーマンドさん、私は、私の観点を、お話ししたのです」
ニーマンドは、イスから、ゆっくり立ち上がった。
「いいでしょう。議論したくないのなら、これ以上、お話しすることは
ありません」
彼は、組んだ手を、ほどいた。
「もうすぐ、おいとましますが、グラハム博士、もしよければ、先ほど
10
9
の、飲み物のお申し出を、お受けしたいのですが」
グラハムのイラつきは、消えた。
「いいですよ。ウィスキーに、水は?」
「いいですね」
グラハムは、キッチンへ行った。ウィスキーボトルと、水、氷にグラ
スを持って、戻ると、ニーマンド
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
どうひいてくるかについての、講習を受けた。
76
75
2つめのサブ委員会は、人的労働再編部局だった。名前からわかるよ
うに、一時的に失業した、何百万の人々を、多くの分野で、急激に増え
た、それほど専門的でない、手作業労働需要に割りふることを手助けし
た。
2023年5月には、3500万人の失業者がいたが、10月には、
1500万人に、2024年5月には、500万人に減少した。202
5年には、失業者は、ほぼゼロになって、競争的需要が、賃金をおし上
げ始めた。
3つめのサブ委員会は、もっとも困難な事柄を扱う部局だった。それ
は、工場再編部局と呼ばれた。この部局の目的は、電気的に稼動してい
た機械工場を、ここでは、たいていは、同じように電気的に稼動する機
械を生産していた場合が多いのだが、それらを、非電気的だが重要な製
品を、電気を使用しないで生産する工場に変換することであった。
初期のころは、数少ない、工場用の蒸気エンジンが、24時間稼動を
続けた。最初に生産したものは、いろいろなサイズの工場用の蒸気エン
ジンで稼動する、旋盤、スタンプ盤、かんな盤、フライス盤であった。
|
グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
「マクガリーですが、スーザンさんは、おられますか?」
ドロシーは、一瞬、奇妙なふうに彼を見たが、すぐに言った。
「どうぞ、お入りになって、居間でお待ちください━━━スーザンは、
すぐ呼んできます」
2
マクガリーは、通された居間で待った。すこしのあいだでも、スーザ
ンが不在なのは、おかしな気がした。
そのとき、声が聞こえてきた。応対したドロシーの声で、居間の外の
廊下で、話していた。抑えきれない好奇心から、マクガリーは立ち上が
り、廊下に通じるドアまで行くと聞き耳をたてた。ドロシーは、電話で
話していた。
「ハリー」と、ドロシー。「早く家へ戻ってきて!先生もいっしょに!
そうなの、おじいさまなの━━━いいえ、今度は心臓発作じゃなくて、
6
5
記憶喪失よ。おばあさまが生きてると思ってるわ━━━いいえ、痴呆症
じゃない。ハリー、ただの記憶喪失よ。しかし、前よりずっと重い
|
死の手紙
/FB3/DeadLetter/
「きみの名前は?」と、警部補。
「バブコック、ヘンリーバブコックです。ミスターラバティに、手紙を
手渡すよう頼まれてました。この手紙です」
警部補は、手紙を受け取り、一瞬ためらったがすぐにあけた。
「なぜ、ただの黒い紙なのかね?」と、警部補。
「分かりません、警部補」と、バブコック。「私のボスのコングレスマ
ンクインから、すいぶん前に手紙を渡されました。そして、もしもコン
グレスマンクインになにか普通でないことが起こったら、すぐに手紙を
ラバティに手渡すように言われました。それで、ラジオの知らせを聞い
て━━━」
「ああ、知ってる。クインは昨夜遅くに殺された。きみはクインの下で、
どんな仕事をしていたのかね?」
6
5
エピローグ
「それは、極秘ですが、今となっては、極秘でもないでしょうね。私は、
ボスの代わりに、重要でないスピーチやボスが出たくない会合に出てい
ました。
|
聖フランチェスコ
/SY/SunMoon/
聖フランチェスコ
原作:ジョヴァンニディピエトロディベルナルドーネ
フランコゼフィレッリ、
リナウェルトミューラー、
スーゾチェッキダミーコ、ケネスロス
プロローグ
2
1
◇
1
(つづく)
4
3
|
感想
/CO/Comment/
ここで、最後のワードは「パルプ」、すなわち「彼」はパルプで作れ
れたなにか。おそらく本か雑誌。
より秘密を分かりやすくすれば、最後のセンテンスは以下になる。
ろうそくの残りが、あと1センチになるまで、9時間もかからなかっ
た。暗闇が、室の片隅から集まりはじめ、近くまではいよってきた。彼
は、悲鳴をあげて、ヴィンテージものの古雑誌であることも忘れて、ド
アをたたき、両手が原料のままの血のにじんだパルプになるまで、つめ
でひっかいた。
もちろん、どう解釈するかは常に、読者個人のものである。
アランフィールド Tokyo
(おわり)
14
13
2
著者について
フレドリックブラウンは、1906年10月29日シンシナティで新
聞記者の息子として生まれた。両親は高校生の頃に亡くなった。192
2年に卒業し、その後、オフィスで働いていた。その経験は1958
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
来てくれて、うれしいよ!」母に、あいさつして、イスに座
54
53
った。
「チャーリー、気分はどう?」と、精神科医。
「最高としか、言えません!先生のおかげです」
「夢を見ることは?」
「赤ちゃんのように、よく眠れます」
「人形の家の女性は?」
「あれは、ただの人形です。先生のおかげで、目が覚めました。感謝し
ます」
「ご自分で、解決されたのですよ。私は、ヒントを与えただけ」
母は、チャーリーの受け応えを見ていて泣き出した。
「母さん!」
「チャーリー!どれほど、心配したことか!ほんとうに」
「心配させて悪かった。でも、もう、大丈夫だ!ですよね?」
「ええ」と、精神科医。
「仕事を見つけて、元通りの生活に戻るよ!」
◇
チャーリーの家。4人そろって、ココアを飲んでいた。
「母さんのココアは、やっぱり格別だ」と、チャーリー。
56
55
|
ロープ魔術
/FB3/RopeTrick/
これを見て、いいアイデアを思いついた。
エルシーは、ジョージとホテルに戻ってディナーのあと、ジョージが
いつものように9時にベッドに入るまで待った。
それから、ホテルの室を出ると、タクシーと通訳を見つけて、バザー
ルへ戻り、さきほどの行者のところへ行った。エルシーは、通訳を通じ
て、フラジォレットを買った。そして、ロープ魔術のシンプルな音律の
吹き方をお金をだして教えてもらった。
4
3
2
エルシーは、ホテルの室に戻った。ジョージは、いつものようにいび
きをかいていた。エルシーは、ベッドの脇に立って、とてもソフトにフ
ラジォレットで、習ったばかりのシンプルな音律を吹きはじめた。
なんども、なんども。
シンプルな音律にのって、眠っているジョージのシーツが徐々にあが
りはじめた。じゅうぶんな高さになると、フラジォレットを置いた。
エピローグ
「ギャーッ!」と、
|
歩兵
/FB1/Sentry/
歩兵
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか
も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。
奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、
動くのも、困難だった。
1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、
流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ
が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という
足は、すべて、血で染められた。
2
1
このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな
かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖
なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ
れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく、
|
アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
紙と鉛筆を手渡した。
急に、彼は、自分がほしいものにやっと気づいた。紙に急いで書いて、
返した。それは、彼らの手から手へ、まわされた。
すると、いきなり、彼は、捕とらえられ、腕は切り落とされた。はりつ
け柱に縛られ、まわりには、小枝やたきぎが積み上げられた。彼らのひ
とりが、火をつけた。
ラルフNCー5は、大声で抗議したが、アルクトゥルス星人によって、
却下された。抗議が、聞こえなかったからではなく、聴覚器官そのもの
がなかったからだった。彼は、苦痛のために叫んだ。そして、すぐに、
叫ぶのをやめた。
宇宙マニュアルの記述は、まったく正しかった。アルクトゥルス星人
は、地球言語の読み書きが、かなり、流暢りゅうちょうだった。しかし、書かれたこ
とが、あいまいだと、かならずしも、好意的に解釈してくれるとは限ら
なかった。宇宙マニュアルの記述は、この点について、じゅうぶんでは、
なかったかもしれない。
ラルフNCー5は、「あつあつのステーキ」と書いたのだが、あつあ
つのステーキがほしいのか、あつあつのステーキにされたいのかが、あ
いまいだった。アンラッキーにも、彼は、望みどおりに、あつあつのス
テーキにされた。
6
5
|
アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
ツーを見た。
「それはですね」と、ツー。低い声で。「赤のバラを植えなけれならな
かったのに、間違えて、白のバラを植えてしまったからです。女王がこ
れを知ったら、みんな打ち首にされてしまいます。それで、女王が来る
前に」
ファイブが心配そうに、花壇の向こうを見た。
「女王だ!」と、ファイブ。庭師の3人は、一瞬で顔を平面にした。
◇
多くの足音がした。アリスは、隊列のなかから、女王をさがした。
最初にやってきたのは、クラブの10人の兵士だった。庭師と同じよ
うに、平面で四角だった。手や足は、四隅すみにあった。つぎは、10人の
廷臣ていしんで、飾かざりは、すべてダイヤ、歩調は、兵士と同じに、2歩づつだっ
た。そのあとに、宮廷の子息たちが10人、みんな幼く、2人づつ手を
つないで、大喜びでジャンプしていた。飾かざりは、すべてハートだった。
94
93
つぎに、客人たちが続いた
|
ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
3
末っ子は、木のうろに帰った。
「今、ワイルドキャットとハンターと赤ぎつねを殺したよ!」と、末っ
子。兄たちに、誇らしげに。
「夢でも見たんだよ!」と、長男。
「たしかに夢だな!」と、次男。
「じゃ、夜になったら見せてあげるよ!」と、末っ子。
◇
ワイルドキャットとハンターは、気絶しただけだった。ワイルドキャ
ットはしばらくして起き上がると、逃げていった。ハンターは、目覚め
ると、銃が偶然しとめた赤ぎつねを見つけて、家に持ち帰った。
◇
夜がきて、3兄弟は、木の外へ出た。
末っ子は、ワイルドキャットとハンターと赤ぎつねを捜し回ったが見
つからなかった。
8
7
エピローグ
「ホォォォォォ!」と、末っ子。「兄ちゃんたちが正しいね。ぼくは夢
を見てたんだ!」
3兄弟は、日が照っている間は外へ出ないほうが安全だと、意見が一
致した。お母さんは正しかっ
|
ブラックジョーク
/FB4/Joke/
「いいね、時間はたっぷり。9時前にはそこへ着つける。ところで、オレ
が入ってきたとき、ほんとうにだまされた?」
24
23
「まさに」と、店主。「あんたが座って、顔を近づけてみるまでは」
「いいね。それなら、ドアに着くまで、マリエリマーをだませる。あん
たのアマチュア劇団の名前は?ブラハマンに電話して、スキンテックス
のものをいくつか欲しがってると伝えておく」
「グローブ通りソーシャルセンター劇団。オレはダンで、ブラハマンは
知ってる。そう、彼に、すでにいくつか使っていると伝えて!」
熱いタオル、冷たいクリーム、こねるような指先。グリーンの男は居
眠りを始めた。
5
「オーケー、ミスター!」と、店主。「すべて終わった。1ドル65セ
ント」店主はクックッと笑った。「あんたのマスクもつけておいた。す
べて装着済み!グッドラック!」
大男は座り直して、鏡を見た。「いいね」と、
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ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
(画像提供:
ISFDB)
SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
サンプルあり(
1
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3
) presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
or
and
(全角のみです)
京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
ノヴァリアン NOVELYAN 1.20 試用版
ご使用方法
小説コマンドの説明
画像コマンドの説明
詩的コマンドの説明
FAQ
バージョン履歴
タイトル
novファイル(15KBま
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パターン
/FB2/Pattern/
妹に。妹も、ミスメーシーだった。
というのも、ふたりとも、未婚だったからだ。
「彼らは、どんな危害も加えないのが、証拠よ、そうでしょ?」
「わたしも、そう、望みたいわ、アマンダ」と、妹のミスメーシー。
「でも、見て、彼らは、なにかしているわ」
その日は、天気のよい日だった。すくなくとも、すこし前までは。空
4
3
は、明るいブルーで、巨人の人間そっくりな頭と肩は、1マイル上空で、
ほとんどくっきり見えていた。しかし、今、だんだんもやがかかってき
た。ミスメーシーは、妹が上空を見ているので、いっしょに上を見た。
2匹の巨体が見えた。1匹が、タンクのようなものを手に、ゆっくりと
地上に向けて、霧のような雲を出現させていた。
エピローグ
ミスメーシーは、また、鼻で笑った。
「雲を作ってるわ。彼らのおもしろいところね。雲なんて、ぜんぜん、
人の害にはならないわ。みんなは、なん
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バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
特にね」
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「そうか━━━もう一度。言ってみて!」
「嘘も方便よ」
「違うよ、聖書や拳銃の話だよ!」
「聖書もあるし、ハンドルの下には、フル装填の拳銃。座席の下には、
十字架。グローブボックスには、かなづちも━━━」
ローリーもアンドレも、大声で笑った。
◇
湖。木製の台から、飛び込むアンドレ。水中から、現われるローリー。
ローリーとアンドレは、水着で水をかけあって、おはしゃぎだった。
木陰で休む、ローリーとアンドレ。すでに、服を着替えていた。
「セミの声だ」と、アンドレ。「まさか、あの人の話、ほんとうじゃ、
ないよね?違う道で、帰れないの?」
「無理ね」
「何も、起きないといいけど」
「心配ないわ。行くわよ」
アンドレは、ランチバスケットを車に乗せた。
夕日の中を、昼と同じ道を、帰っていった。
「ほんとうだったらな」と、アンドレ。
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レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
「レッドはどうなの?」と、ワンダ。両手を引いた。
「オレは、缶にあるコカインの方が好き」
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「それは良かったこと!」と、ワンダ。レッドの頬ほおを叩たたいた。「これが
初めてのバーガスパーティ?見たことない顔ね。パーティはフリークシ
ョーそのもの。でも、この町で商売するにはここしかない。そうでしょ、
ハート?」ワンダはハートの頬ほおも叩たたいた。
「パーティでは得るものが多い。スタジオよりも収穫がある」と、ハー
ト。「少なくとも、ビジネス目的で」
「それじゃ、ここの道化たちは、コカインでいっぱいの鼻と酒でいっぱ
いのお腹なかで映画を作るのか?」と、レッド。「道理で1000万ドルを
ドブに流すわけだ!」
ワンダは両手を引いた。「そういう態度じゃ、成功しないわ」
「その気はない」
「いいところを突いている」と、ハート。「ウォルターズのような、う
じ虫を見てみろ!フリスビーの
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気まぐれ
/FB1/Experiment/
それは、再び、タイムマシンの台の上に現われた。
「見ましたか?私が、それを、台の上におく、ちょうど5分前に、そこ
に現われました!」
もうひとりの同僚の教授は、現われた物体を、疑わしそうな表情で見
た。
「あなたが、台におく、5分前にすでに、物体は、出現しているわけだ
から、もしも、あなたが、気まぐれで、物体を、3時に台の上におかな
かったら、なにが、起こるかな?ある種のパラドックスが、含まれてい
るんじゃないかな?」
「興味深い、考えです」と、ジョンソン教授。「その可能性は、考えて
いませんでした。やってみる価値はあるでしょう。いいですね、私が、
おかないと━━━」
パラドックスは、まったく、なかった。立方体の物体は、そのままだ
った。
しかし、それ以外の、宇宙の残りすべてが━━━教授たちも、なにも
かもすべてが━━━消えてしまった。
(終わり)
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5
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フェルマーの予想
/RM/Fermat/
「次の図は、なんですか?」と、ジェイク。
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「この図は、テキストによると、y<1、x<1として、zもz=1と
すると、0と1の間の2次元の図に書けて」
「あ、ちょうど、ピタゴラスの二乗は、円の右上にあたるってことかな」
と、ジェイク。
「そのようね。n=3とすると、少し膨らんで、n=∞の極限では、四
角の右上になるらしいわ」
「たしかに、x=3/5、y=4/5とおくと、xの二乗とyの二乗を
足すと、25/25になって、z=1になってますね」と、ノーグ。
「さすが、ノーグは、フェレンギだけあって、いつもラチナムを数えて
いるから、計算にはやたら強いね!」と、ジェイク。
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◇
(つづく)
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つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
「マイルズ、こんなことをしてちゃだめだ、ドクターに話すんだ、彼な
らきっと助けてくれる」
「おまえみたいにか?」
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「そうだよ、私たちは君の味方なんだ」と、イーチャー。
「そうか、で、味方してどうなった?」
マイルズオブライエンは、移動用ポッドに乗った。
「居住区へ」
「いずれは、私のことを、誰かに打ち明けなければ」と、イーチャー。
「もう、ほっといてくれ!」
「一生私から逃げつづける気か?」
「おまえは死んだ、おれのことはいいから、早く消えてくれ!」
「消えて欲しいんなら、消せばいい!追っ払ってみろよ!私がいつまで
も離れられないのは、君がどっかで私を呼び出しているからなんだぞ!」
◇
マイルズオブライエンは、自室に戻った。
「マイルズ、一時間も前からジュリアンが捜していたのよ。ねぇ、どこ
にいたの?」と、ケイコ。
「いろいろ考えていたんだ」と、マイルズ。
「
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殺人レッスン
/FB4/Lesson/
ふん?しかし、45口径の弾丸た まなら、
どこに当たっても、バッドに殴られたみたいにすぐにぶったおれる。
銃をどこかに運ぶ場合は、32口径オートマティックの方がいい。軽
いし、コートがふくらむこともない」
学んだことは基本的なものばかりだったが、デュークはいろいろ堀り
下げて、いくつかの重要な点に気づいた。パラフィンテストをごまかす
方法とかだ。その方法を知らないなら、ま、知らないでいる方がいい。
ここでは、レッスンではなく、状況を話しているだけだ。
トニーは、あらゆる意味で、ガンマンだった。ナイフは弱いやつが使
うもので、げんこはゴリラが使うもので、トミーガンは相手もまともに
狙ねらえないガキの使うものだった。
「なぜタイプライターより45口径かというと、1発で仕留められるか
らだ。3秒ですむ。弾丸た まを食らわせ、ぐらつかせ、倒れる」
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デュークエバン
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緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
確かだと
感じた。ローラは、ウィリアムの唯一の希望だった。今度ばかりは、デ
イジーがなんと言おうと、ウィリアムが勝利するのだ。
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ウィリアムは、シャワーを浴びて、すぐに服を着た。デイジーとの対
決シーンを恐れながらも、勇気が続くうちに、早く終わらせるために、
急いだ。下へ降りると、朝食のテーブルにデイジーがひとりでいた。
「おはよう、あなた」と、デイジー。「ローラは、朝食をすませて、散
歩に行ってるわ。わたしが頼んだの。あなたとだけ話したくて」
「そりゃよかった」と、ウィリアム。デイジーの向かいに座り、考えた。
「オレが言おうとしていることが、分かっているみたいだな。デイジー
が離婚を切り出してくれることで、物事がスムーズに運びそうだ」
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5
エピローグ
「ウィリアム、いい?」と、デイジー。「わたし、離婚してほしいの。
このことは、あなたにはショックなことは知って
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白の悪夢
/FB3/NightmareInWhite/
歓待にも限度というものがあった。
しかし確かなことは、あるいは、ほとんど確かなことは、ベティは、
デバラが眠るまで待ってから、ほんの少しの時間だとしても、彼におや
すみを言いに来ることだ。もしもベティが、おやすみ以上のものがほし
いというのなら、デボラを起こすような音を出さない限りで、応じるつ
もりだった。
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3
2
たしかに、彼女は、今ドアを暗闇の中ですばやくあけ、すぐに閉めた。
ドアのかすかなカチッという音だけ聞こえた。つぎに、やわらかいサラ
サラした音、ナイトガウンかネグリジェが落ちる音がした。そして、ソ
ファの彼の毛布の中に入ってきた。
「ハニー」と、彼。
「しっ!」と、彼女。
しかし、これ以上の言葉が必要だろうか?
エピローグ
長いようで短い時が流れ、ドアがふたたびあいた。
ぎらぎら輝く光が射し込んで、白のホラーに、凍ったように立ったま
ま叫び声を
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星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
銃を捨てた。
「どうだ、チェコフ?」と、カーク。立ち上がった。
「通信先の座標を、取得しました」と、チェコフ。
カークは、異星人の女性船長を突いて立ち上がらせて、チェコフの横
に立った。
「クラルは、なぜ、あれが、欲しいんだ?」と、カーク。
「あなたがたが、自滅しないため」と、異星人の女性船長。
「船長!」と、チェコフ。2人の敵兵が現われたので、銃撃戦になった。
カークとチェコフは、撃ちながら、傾いた通路を逃げた。
異星人の女性船長と2人の敵兵は、ふたりのあとを追った。
カークとチェコフは、息を切らしながら、傾いた通路をあがってきた。
「大丈夫か?」と、カーク。
「はい、船長!」と、チェコフ。「でも、行き止まりです!」
カークは、通路の隔壁からのぞくと、異星人の女性船長が雷光銃を撃
ってきた。
「これ、起動できるか?」と、カーク。
「まさかと思いますが、通常エンジンをですか?」と、チェコフ。
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ジバゴ
/SY/Zhivago/
会うなんて!夫をさがしに来たの。でも、戦死したって━━
━」
「ストレルニコフ。会ったよ」
「会ったの?」
「ああ」
積もる話がつきなかった。雪のなくなった、ユリアティンの町を歩き
ながら、話し続けた。ラーラは、1軒の家の戸をあけて、中に入って、
鍵を壁にかけた。ユーリは、室の様子がもの珍しかった。
「ここに住んで、どのくらい?」と、ユーリ。
「1年よ」
「ひとりで?」
「カーチャと」
「カーチャは、いま、どこに?」
「学校よ」
ふたりは、静かに抱き合った。
しばらくして、ベッドの中で、ラーラは訊きいた。
「奥さんも、いっしょ?」
「ああ、家族みんな」
「サーシャも?」
「いっしょだ」
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「どうするの?」
「分からない━━━」
◇
朝、黄すいせんの畑に囲まれた、ベリキノの門番小屋。
ユーリは、目覚め、ベッドから起きだした。枕元には、モスクワから
大事にもってき
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ヴァンパイア
/FB/Blood/
ここでは、おそらく、燃料のウランはすべて、鉛になって
いて、見つからないよ。ここで生きてゆくしかない。あるいは━━━」
ふたりは、偵察のために外へ出てみた。
「見て」と、ドリーナ。ふたりのもとに近づくなにかを指さしていた。
「新しい生物だわ!犬は、滅ほろんだのよ。なにものかが支配して、ヴァン
パイアは、忘れ去られたわ!」
4
3
こちらにやってくる生物は、テレパシーが使えた。
「私たちは、あなた方の考えを聞くことができます」と、ふたりの脳内
の声。
「ヴァンパイアのことを知っているか、考えていますね。それがなんな
のかわかりませんが、われわれは、知りませんね」
ドリーナは、歓喜のあまり、ヴェロンの腕をつかんだ。
「自由よ!それに、ごはん!」
「あなた方は、疑問を抱いていますね」と、声。
「私たちがなにから進化した生物なのか━━━そうですね、現在の全種
族は、野菜です。私は━
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探検隊
/FB3/Expedition/
くじの結果は、29人の女が勝ち、男
で勝った者は、ただひとりであった」
「くじに勝ったもの以外の全員が大声で抗議したが、長官は耳をかさず、
くじは正当に行われていて、結果はいっさい変更されなかった。男のエ
ゴを満たす唯一の譲歩は、マクソンを船長にしたことであった。宇宙船
は出発し、火星への旅は成功した」
2
「第2次火星探検隊が到着したとき、植民地の人口は2倍になっていた。
ちょうど2倍で、女性の全員が子どもを生んで、ひと組は双子だったの
で、ちょうど30人の子どもがいた」
「アンブローズ君、手を上げているのは見えますが、話を終えさせてく
ださい。ここまでの話にビックリするようなことはありませんし、一部
の人たちが考えるような不道徳なこともありません。時間さえあれば、
ひとりの男が29人の子どもを作ることは可能です」
6
5
エピローグ
「マクソン船長が、鉄腕マクソ
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地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球人は出ていけ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ダプティンというのが、略称だ。最初は、アダプティンと呼ばれてい
たのが、ダプティンと、略されて呼ばれるようになった。それは、ぼく
たちを、適応させてくれるのだ。
10才の時に、みんなに説明された。彼らは、ぼくたちが10才にな
らなければ、理解できないと思っていたようだが、みんなは、すでに、
多くを知っていた。火星に着陸すると、すぐに、話してくれた。
「きみたちの故郷だよ、生徒諸君」と、主任の先生。ぼくたちのために
建設してくれた、プラスチック製のドームに入ってから、講義が始まっ
た。この夜の、特別講義は、とても重要なもので、全員、出席するよう
に言われていた。
その夜、先生は、ぼくたちに、なぜなのかやなんのためにも含めた、
すべてを、話してくれた。先生は、ぼくたちの前に立っていた。もちろ
ん、寒さを遮断する宇宙服を着て、ヘルメットをかぶっていた。ドーム
2
1
の気温は、ぼくたちにとって、適温だったが、先生にとっては、すでに、
凍るように寒く、空気も、すでに、先
|
ドール
/XF/Chinga/
イスにすわって、居眠りをしていた。
リッチーは、なにも言わずに、そのまま出て行った。外で、人形の声
がした。
「ゲームの時間よ!」と、人形。
船長が、いやな予感がして、外へ出てみると、かぎづめが、リッチー
の頭を貫通して、船の梁にりょう突き刺さっていた。リッチーは、海の方向を
向いて、立ったままだった。「なんてこと━━━」
58
57
◇
「あのときは」と、船長。スカリーに話していた。「わが目を疑ったよ」
「でも、あのスーパーで」と、スカリー。「あなたは、はっきりと見た。
リッチーの娘と、例の人形を」
「それで、すべての、なぞが解けた━━━」
◇
スカリーは、ジャックといっしょに、パトカーに向かって歩いていた。
スカリーのケータイが鳴った。
「スカリーです」
「いやぁ、ケータイには出ないと思っていた」と、モルダー。
「なぜ、かけたの?」ふたりは、パトカーに乗り込
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暗闇の間奏曲
/FB4/Interlude/
もちろん、彼はカネを持ってなかった。自分のためにカネは使わなく
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いいと言っていたが、彼は良き働き手であった。お世辞でもなんでもな
く。彼がちゃんととやって行けると考えても問題なかった。
彼らは3人で、試験的に計画を立てた。スーザンとジョーンが農場に
いて、ジョーンが自分の仕事をこなせるまで教えた。彼は十分稼げるよ
うになるまで仕事がこなせると、期待できた。彼は自分の能力について
は、まったく楽観的だった。そして仕事で外出する際もスーザンがつい
て行った。積極的に、彼は現在の生活様式を学んで行った。
重要なことは、なににも増して、マット博士や議長が受け取れるよう
にメッセージを残すことだった。この研究を続行するかどうかは、すべ
て彼にかかっていた。
彼は、スーザンとルイに、この旅行は一方通行だと説明した。装置は
1方向にしか働かず、過去に旅行ができても、未来にはできなかった。
彼は自発的に流刑を申し出て、残りの人生を流刑の地で過ごす覚悟だっ
た。プランはこうだ。この世紀のことをできるだけ詳しく調べてレポー
トに書き上げる。そして、40世紀のあいだ耐えられるよう特別に作ら
れた箱にレポートを入れて、決められた地点に埋めるというものだった。
この場所は、未来にすでに掘り起こすよう決められた、地理的に正確な
地点だった。
彼がとても驚いたのは、ふたりが彼に、どこ
|
致命的なミス
/FB3/FatalError/
4
3
2
ドアをノックする音がした。もう?ウォルターバクスターは、自分を
落ち着かせて、玄関に行ってドアをあけた。保安官と助手が入ってきた。
「ウォルターバクスターか?」と、保安官。「逮捕状が出ている。服を
着て、いっしょに来なさい!」
「逮捕状?」と、ウォルター。「なんの?」
「不法侵入と窃盗せっとう。きみの叔父お じさんが、寝室のドアのところで一部始終
を見ていた。きみが行くまで静かにしていて、それからダウンタウンに
来て通報した」
エピローグ
ウォルターバクスターは、アゴを撃ちぬかれた。やはりミスをしてい
たのだ。
完全な殺人計画だったが、どろぼうに夢中になりすぎて、肝心なこと
を実行するのを忘れていた。
(終わり)
6
5
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ナスティ
/FB3/Nasty/
ナスティ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ウォルタービュレガードは、この50年間というもの、情熱的にして、
完成された好きものであった。今、65才の年になって、好きもの協会
の会員資格をなくすかもしれない危機を迎えた。なくす危機?いや、正
直に言おう、彼はなくしたのだ。この3年間、彼は、医者から医者、偽
医者から偽医者、妙薬から妙薬へと渡り歩いた。すべては、まったく、
なんの効果もなかった。
2
1
1
ついに、ビュレガードは、占いや魔法の本を思い出した。膨大な蔵書
の一部として、集めたり、読んだりするのを楽しんでいた。しかし、そ
れらを、まじめにとらえたことはなかった。今までは。今、彼に、なに
か、失うものがあっただろうか?
かびの生えた、悪のにおいのする、稀少本の1冊に、求めるものを発
見した
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黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
ほかのメリットもあった。もしも、妻が生きたままだったら、
次の朝、起きたときに彼がいなければ、なにか心配して、警察を呼ぶか
もしれない。しかし、殺しておけば、死体はしばらくは、見つからない
だろう。たぶん、2・3日は。これは、さいさきのよいスタートとなる
はずだ。
3
事務所では、ものごとは、スムーズに進んだ。約束の時間になったの
で、妻を迎えにいって、すべては予定どおりだった。しかし、レストラ
ンで、妻は食事に時間をかけていたので、家に8時46分に戻れるか、
心配になってきた。それは、バカげたことだとわかったはいたが、彼に
とっては、自由になる時間がすごく重要で、1分早くても、1分遅くて
もだめだったのだ。腕時計を見た。
家の中に入るまで、待つべきだったが、1分おくれそうだった。家の
ポーチは、暗く、家の中と同じくらい、だれかに気づかれる心配はなか
ったので、そこで、彼は、ドアの前に立って、ドアを開けるのを待って
いる妻に、ジャックナイフを一突きした。
妻が倒れる前に、片手でささえてまっすぐ立たせたまま、別の手で、
ドアを開け、なかへ入ってから、ドアを閉めた。
8
7
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葬送曲
/FB3/Recessional/
やすらぎ
はどこにもない。
3
あなたは大きな間違いを犯している。神はいるし、偉大な神は、あな
たを許すだろう。なぜなら、あなたに悪気わるぎはなかったからだ。チボルト
司教よ、疑いもなく、そう、疑いは誤りであって、悪ではなかった。
忠誠心がなければ、なにも。
そのとき、なにかが起こった。
ルークが、彼は戦いのはじめから女王の脇を固めていた城将だが、敵
のブラック王を急襲して追い詰めた。悪の王に逃げ道はなかった。
われわれは勝った!勝ったのだ!
6
5
エピローグ
「チェックメイト!」と、空の声。静かに。
われわれは勝ったのだ!このひどい戦いの地は、ムダではなかった。
チボルト司教よ、あなたは間違っていた。あなたは。
そのとき、なにかが起こった。
大地が傾き、戦いの地の一方が盛り上がり、われわれは滑すべっていった。
ホワイトもブラックも同じように。
大
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報復戦隊
/FB3/Fleet/
彼らの運命を推論することは可能だ。
ある方向に宇宙をCcマイル直進するとCcマイル横断したことにな
る。両者は同じことを意味する。10年宇宙を直進すると、戦隊は10
年時間を逆向きに進むことになって、距離にすると、186、334の
186、334乗となる。
戦隊は直進し、宇宙を横断して、10年かけて出発点に戻った。
報復戦隊は、最初に視界に入った惑星を破壊した。
そしてつぎの惑星に向かった。そのとき、将軍は真実に気づいた。そ
して、目の前の地球と火星の連合戦隊への攻撃命令を取り消した。
驚くべきことに、報復戦隊の司令官はバーロ将軍で、侵略者を撃退し
た地球と火星の連合戦隊の司令官もバーロ将軍であった。戦闘員の多く
も、のちの報復戦隊の戦闘員であった」
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エピローグ
「もしもバーロ将軍が、旅の終わりで、破壊しようとした惑星が金星だ
と気づいたとしたら、なにが
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ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
「CIAもFBIも、だめだ!」
「司法省にいる友人のとこだ。自宅の番号が」
「なんと、説明する?」
「たいへん!」と、リサ。カーテン越しに、テラスの4体の複製を見た。
「成長してるわ!」
「乗っ取られる!」と、ナンシー。
パトカーが、ゆっくり走ってきて、止まった。
「マシュー!囲まれたわ!」と、ナンシー。
「何番に、おかけですか?」と、電話。
「直通番号だぞ!」と、マシュー。
「番号を!ベネルさん」
テラスの階段を、多くの警官が、かけあがって来た。
「来たわ!」と、リサ。
「切れ、マシュー!」と、ジャック。
マシューは、電話を切った。
「マシュー、拳銃は、あるか?」
「ない」
「どうする?」と、リサ。
「裏から出よう!」と、マシュー。
106
105
「ジャック!」と、ナンシー。
電話が鳴った。
「そこから、下に降りられる。さぁ、行け!」と、マシュー。
マシューは、シャベルを振り
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